明治学院大学 文学部 芸術学科
サイトマップ  芸術学科へのお問い合わせ  明治学院大学トップへ


HOMEへ
講演会情報
学科紹介
音楽学系列
映像学系列
美術史学系列
芸術メディア系列
関連情報
大学院研究科
博士前期課程
博士後期課程
教員紹介
student gallery
在学生のみなさんへ
※学外からの閲覧には、学内掲示板に掲載されているIDとPASSWORDが必要です。
 Student Gallery

芸科生の留学記──ドイツ編 2009
第13回 Kenntnisse in Japan 〜日本学科の学生の知識〜
芸術学科芸術メディア系列3年 MYさん

 こんにちは。今回は私の所属する日本学科の学生とある作家についてお伝えします。

 ヨーロッパで人気のある日本作家といえば、村上春樹だと私は思っていました。彼の代表作、ノルウェイの森は現在36カ国語に翻訳されていて、彼自身、海外からさまざまな賞を受賞しているからです。実際に、こちらの本屋にもたくさんの本がならんでいます。また、日本学科のある授業では、最近出版された「眠り(Schlaf)」を題材に和訳しています。このように、ヨーロッパにいても村上春樹熱を感じることができます。

ドイツ語版 イン・ザ・ミソスープ 英語版の表紙も同じ ところで、私のすきな作家は同じ村上でも龍のほうです。上記の理由から、村上龍はヨーロッパでは知られていないだろうと思っていました。したがって、本屋で彼の本を見つけた時にはおどろきました。この本は日本語では「イン・ザ・ミソスープ」です(ドイツ語では「IN DER MISOSUPPE」)。日本では97年に、そしてドイツでは06年に出版されました。その場で店員に問い合わせたところ、この本以外にも「ピアッシング」という本がドイツでは出版されています。しかしながら、わずかこの2冊です。じつにさまざまな理由から、日本学を専攻している学生が日本学科にはいます。X-JAPANがすき、戦国時代がすき、アニメがすき、古文がすき……。しかし、いくらなんでも日本学の学生は村上龍のことを知らないだろうと思い、彼のことを紹介するべく「IN DER MISOSUPPE」を買い、どのように彼のことを紹介しようかドイツ語で前もって準備をしました。

 しかし、なんとその準備は不要でした。8:2の割合で村上龍のことを知っていたのです。さらに、そのほとんどが彼の本を読んだことがあり、また春樹よりも龍のほうがすきだと答えたのです。私はおどろきました。まさかドイツの地で、彼について話すことができるとは。また、ある学生は、日本作家で一番お気に入りの本は「IN DER MISOSUPPE」と答え、またある学生は「イン・ザ・ミソスープよりもコインロッカー・ベイビーズのほうが好きだな、だって……」と語り始めました。私は目がテンになりました。ドイツ語だけではなく、英語でも彼の著作は出版されています。なので、学生たちはより多くの村上龍の作品に触れることができるのです。

授業で使っている村上春樹Schlafのテクスト 外国語から日本語に訳すことはとてもむずかしい なぜ龍がすきかと聞くと、全員「おもしろいから」と答えました。しかし、どこがどのようにおもしろいのかと聞いてみても明確な答えは得られません。私が個人的に思うことがあります。龍のことを知っている学生のほとんどは日本への留学経験がすでにあります。つまり、日本人がどのような性質で、ガイドブックだけでは得られない本当の日本を知っているのです。ひょっとすると、日本人よりも日本人のことを知っているかもしれません。だから、少しアンダーグラウンドな村上龍のほうが、日本学科の学生にとっては好まれるのかもしれません。

 いずれにせよ、たった一人の作家を通してですが、日本学科の学生の知識におどろく出来事でした。

2009年12月20日

【現在地】芸術学科ホーム > Student Gallery > 芸科生の留学記 > ドイツ編2009 第13回
Copyright © 2004 明治学院大学 文学部 芸術学科 (E-mail: art@ltr.meijigakuin.ac.jp)